長所と短所と

「他人の短所を言うなかれ
 己の長所を説くなかれ」
昨年、出雲大社で引いたおみくじのことばです。

気付くと、心の中で人の批判ばかりしている。
愚痴を言うまいと思っても、
批判ばかりしていると、
やはり心の中で愚痴を吐いている。

通勤が長くなったこと、
子供が手のかかる年頃ということ。
言い訳はいくらでも思いつくが、
思考が一向に前に進まない。

この一年ばかり、
ずっとそんな毎日だった。
そしで、
人に向けて振り回していた刃は、
不意に焦りとなって自分に返ってくるのだった。


それが最近、
ふといままでにない感覚を感じることがある。

自分に短所と長所とあるように、
社会にも短所と長所とがあり、
その短所を自分も幾分かは構成しており、
その長所もまた幾分か構成している部分なのだと。

自分が社会の一つの細胞であるならば、
じたばたせずにやれることをやるしかない。
そうすると、自然と落ち着き、
思考も冴えてくる。


「Constant dripping wears away the stone.」
(雨垂れ石をも穿つ)
家庭教師の先生が、
中学の入学祝いに贈ってくれた言葉が、
最近よく思い出されます。